唐突な記事、かなり長いですがスマブラを上達する上で本当に大切だとずっと思っている事を記事にしました。
是非最後まで読んでみてください。
スマブラで上達する事に於いて、多くの方がしている「思考の定型を作る」という行為はほとんどの場合間違ったやり方をしてしまっているという話です。
どういう事か具体的に書きます、自分はフォックスを使っていて相手のキャラクターはクロムだとします(スマブラSPでの話です)
ステージは終点、自分の場所は左側崖端やや近め、相手の場所はステージ中央からほんの少し左、自分の%は80%で相手の%は120%、お互いラストストックという状況、お互い初対戦で、この試合をラストストックまで戦っているとはいえデータ不足。
この状況であなたは相手の小ジャンプ読みで上スマをしました、しかしその状況で相手は走行ガードを選択し上スマをガード、確定反撃で横スマを撃たれ負けたとします。
(例えが死ぬ程下手で申し訳ございません、この状況でフォックス側がそんな思考で上スマを撃つか?という感じが少ししますが話に影響はしていないはずなので気にしないでください)
この時、あなたは何を考えますか?
こういう状況で上スマを撃ってしまっては駄目だなと考えると思います。
しかしここで多くの人が陥ってしまう落とし穴があります、それは
「細かい状況分析をしないまま、大雑把な目線で「上スマを撃つのは駄目だな」と思う事です」
後述しますがスマブラというゲームは状況1つ1つにおける、その状況を構成している要素が非常に多いゲームなのです。
このような「1つ1つの細かい要素を見ないまま状況を大雑把に捉え、そしてそのまま大雑把に学習する」という行為を多くのプレイヤーが、本当に様々な状況でしてしまっているのです。
これを僕は「定型を作る」と呼んでいます。
こういう状況は〇〇だから××をしない、こういう状況は△△だから□□をしない(または〇〇だから××をする)
しかし、このような定型の作り方をしてはならないんです。
それは何故か、それは細部を見ないまま定型を作るという行為はその後全く役に立たない所か、間違った考え方のまま話を進めてしまう非常に危険な行為だからです。
現実世界でもそう、他の対戦ゲームでもそう、この世の全てでそうと言えることです。
「次に来る同じような状況は、果たしてそれは以前と全く本当に同じ状況なのか」という話です。
答えはノーです、全く同じ状況というのはほぼやってきません。
パッと見が似ているだけの「本質的には全く違う状況」であることばかりです。
今回の例でいうと非常に分かりやすいです、今回の例である
「自分はフォックス、相手はクロム、お互い初対戦でラストストックまで戦っているとはいえデータ不足、終点、自分の場所は左側崖端やや近め、相手の場所はステージ中央からほんの少し左、自分の%は80%で相手の%も120%、お互いラストストックという状況」
この中から「お互いラストストックという状況」を「自分は2ストックで相手は1ストック」という状況に置き換えます。
そうすると例え上スマをガードされ自分が撃墜されたとしてもまだ1ストックあり、相手は上スマを意識せざるを得ない状況になり掴みが通りやすくなる・・・というような状況にはなります。
(まあそれでも合理的ではないと言えますが)
これぐらいは恐らく多くの人がすぐに理解出来ると思いますしむしろ「そんなの当たり前だろ!」と思われると思います。
では次はお互いラストストックという状況に戻して考えてみます、今回はこの中から
「自分の場所は左側崖端やや近め、相手の場所はステージ中央からほんの少し左」
という部分を
「自分の場所はステージ中央からやや右、相手の場所は右側崖端近め」
に変えると全く状況は変わってきます。
前者の状況で上スマを撃つという行為は
「自分は相手より40%のアドバンテージがあるという状況で一点読み上スマを撃ち、確かに通れば勝ちだが、相手にガードされ冷静に横スマで確反を取られれば負け、またその一点読みの根拠は乏しく不確かである」
と言えます、しかし後者では
「一点読みの根拠は乏しく不確かではあるが、通れば勝ちの一点読み上スマであり、例えガードされたとしても確反の横スマでは自分は撃墜されないリスクリターンの見合った上スマである」
と言えるのです。
この「お互いの場所が違う」という一部分だけでも行動の合理性やリスクリターンは大きく変わるのです。
他の例も挙げてみます、状況は一番最初に挙げた状況から付け加える形で考えてみてください。
例えばこれが1試合ではなく2試合目で、相手のプレイヤーがSJから展開する行動を多用している事を把握している、というならば自分のリスクは高いままだが通る可能性は上がり、合理性も上がります(それでも危険ですが)
例えば自分が撃墜されなかったとはいえ1ストック目で相手に上スマをガードされていたとします、その時微ホールド横スマで確反を取られていたとしたら?
(相手はフォックスの上スマの全体フレームを把握しておりクロムの横スマの発生ならば微ホールドを出来る事も知っている、つまりラストストックの状況で最大確反を取られる可能性は高くこの場合は合理性は下がる)
こうして文章で見ていると簡単に見えますが実際の試合中にこれらの要素を加味し、合理的に行動を選ぶというのはとても難しい事です。
単純にこれら以外の事にも同時並行で意識を割かなければならない事が大体は複数存在しており更に試合で勝つにはその試合中に対応しなくてはなりません。
2本先取なら1本取られた時にある程度考える時間が与えられますが1本取られている分その次の2試合を勝ち切るだけの多くの要素を拾わなくてはなりません。
何が言いたいのかというと
「1つ1つの場面毎に、様々な細かい要素が存在している上でその状況は成り立っており、何か1つの要素が違うだけでも選択肢毎の合理性やリスクリターンは大きく変わり、その変わり得る要素は試合全体にすら散りばめられている事すらある」
という事です。
このような事は知らず知らずの内にたくさん起こっているのです。
ことスマブラにかけては非常に顕著と言えます。
「スマブラというゲームは、自分が死ぬか、相手が死ぬかのラインがお互いの場所の縦軸でも横軸でも大きく変わり、キャラによって体重の重さも復帰力も違い、ステージによって横のバーストラインも上のバーストラインも違い、更にはベクトル変更によっても変わり、ほかほか補正なんてものも存在している」
一見同じような状況に見えるが、実は全く違う状況という場面が無数に存在しているゲームなんです。
そしてそのような見せ掛けのみ同じように見えるという要素が凄まじく多い為多くの人が自分なりの定型を作る際に大きな間違いを犯してしまうのです。
もしあなたが本当にスマブラで強くなりたいなら大雑把な定型を作るという行為を一切禁じてください。
「1つ1つの場面を見直す際、限界まで細かい部分に目を通し、その状況を構成している要素を細部まで余すことなく見つけてください」
前述したようにその場面だけでは見つからない要素もあります、試合全体を通してしか発見出来ない要素もあります、これらを探す事はとても大変と言えます。
しかしこうする事によって場面1つ1つにおける理解度が上がり、驚く程対応力が上がります、絶対にです。
そして合理性と共に本当の強さを手に入れる事が出来ます。
と言っても、そんな事を言われてもいきなりすぐに出来る訳がないですし、あまりにも難しすぎると思います。
しかしそれを実現する為の足掛かりとなる考え方があります、それは
「全ての自分の行動を後からでも、時間が掛かってもいいので説明出来るようにする事です」
最初は行動の理由が合理的でなくてもいいです、自分では分かってはいるけど上手く言語化が出来なくて対戦相手に伝えられなくてもいいです。
ですがこのように全て説明が出来る行動のみが出来るようになると少しづつ合理的に行動する事が出来るようになり、状況1つ1つに対する細かい部分に目が向いていくようになります。
自分なりにでも合理的な行動をするようになるという事はつまり要素の多さに差はあれどたくさんある細かい要素からいくつかは拾った上で合理的に行動をしている事が出来ているということになります。
これを続けていく事でより多くの細かい要素を見つけていく事が出来るようになります。
まとめると
まず第一に
全ての自分の行動を後からでも、時間が掛かってもいいので説明出来るようにする
そして第二に
それが出来るようになったならば自分の行動を、後からでも、時間が掛かってもいいのでどんどん合理的だったり、リスクリターンを考慮していたり、きちんとした読みで行動したり、が出来るようにする
そして第三に
自分の行動を、どんどん合理的だったり、リスクリターンを考慮していたり、きちんとした読みで行動したり、を試合中に出来るようにする
という流れが良いです。
第三までいければもう何も言う事はありません。
これらはとても難しく、手間も掛かります。
ですがこれを続けていけば必ず上達します。
また、方法の1つとして自分の対戦のリプレイを見直すというのは非常に重要です。
特に負け試合は宝の山です。
この記事を読んだ方のスマブラを大きく変える事が出来たなら僕はとても嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。